医師研修

>> ホーム >> 研修・実習 >> 医師研修
◇ はじめに

2004年度より臨床研修が必修化され、すべての臨床活動を志す医師は厚生労働省の定める「臨床研修」を受けることが義務付けられた。そして、その必修内容に地域医療研修が位置付けられている。
地域医療研修において「地域医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、
1) 患者が営む日常生活や居住する地域の特性に即した医療(在宅医療を含む)について理解し、実践する。
2)診療所の役割(病診連携への理解を含む。)について理解し、実践する。
3)へき地・離島医療について理解し、実践する」ことが要請されており、必修項目として「へき地・離島診療所、中小病院・診療所等の地域医療の現場を経験すること」とされている。
 本プログラムはあおぞら診療所の行う地域医療研修プログラムであり、地域医療におけるひとつの代表的な分野である「在宅医療」を中心にして、多職種連携の中で、地域医療に関する実体的な経験を行わせるものである。そして、生活者としての患者・家族と信頼関係を構築し、将来地域医療を実施するための基礎的な素養を養うとともに、研修医がいかなる専門分野に進んでも的確な地域医療連携を行うことが可能となる基礎を涵養することを目的とする。

◇ あおぞら診療所の理念と目的

理念-わたしたちの願い-
患者さんのニーズにお応えするために、私たちは変わります。
患者さんやご家族との心のふれあい、絆を大切にし、ひとに優しい医療を実践します。
職員の志と願いを大切にし、ひとりひとりがやりがいと喜びをもっていきいきと働ける職場をつくります。

目的-わたしたちのビジョン-
患者さんの肉体的痛み、精神的痛み、社会的痛み、霊的痛みの全てを癒す医療を目指します。
患者さんのいのちと生活を責任もって守ることのできる医療を目指します。
市民の方々、行政、他の医療福祉機関とのネットワークをつくり、地域の医療、福祉の向上に貢献します。

◇ あおぞら診療所高知潮江沿革

設立母体 医療法人財団千葉健愛会 (理事長 川越 正平)
あおぞら診療所高知潮江
院長 松本 務
電子メールアドレス kochi-ushioe@aozora-clinic.org
 ホームページアドレス http://www.kochi-aozora-clinic.jp/
交通機関 土佐電気鉄道「桟橋通3丁目」電停 徒歩7分
地図はホームページに掲載しています

*あおぞら診療所高知潮江の沿革
2009年2月に高知県高知市に開設した在宅療養支援診療所。内科・小児科を標榜し往診・訪問診療・外来診療を行う。現在、常勤医2名、常勤看護師4名体制で24時間対応を実施する。2012年2月末日までの在宅導入患者様は計360名、開設以来の在宅看取りは計85名である。
あおぞら診療所高知潮江は0歳から100歳以上の患者まで全年齢の在宅患者を診療する。認知症や脳血管障害を含む老衰関連疾患患者、小児および若年の重度障害を有する患者、末期がん患者を含め、在宅医療で対応すべきあらゆる患者を診療の対象とする。また、経管栄養法、中心静脈栄養法、酸素療法、人工呼吸器管理、ストマおよび諸カテーテル管理など在宅医療で可能な医学的管理に対応する。また貧困層やいわゆる社会的困難事例(虐待事例を含む)にも積極的に対応する。
あおぞら診療所高知潮江は、高知市及び隣接する市を中心に活動する。当院の位置する高知市潮江地区は、人口29,302人、世帯数15,022、高齢化率23.6%で、貧困者・高齢者・障害者世帯の多い地域である。同地区には病院1・診療所31・歯科診療所17・薬局21・訪問看護ステーション2・居宅介護支援事業所14があり、地域の事業所と積極的に連携している。
在宅医療啓発活動のための公的な活動への取り組み、高知大学医学部および県立高知大学看護学部の学生教育、日本在宅医学会専門医制度研修生の教育にも積極的に携わる。当院は、在宅医学会認定専門医2名を有する。

◇ あおぞら診療所における地域医療研修の到達目標

○訪問診療を通じて「生活者」としての患者を知る。
 生活の場で患者・家族と信頼関係を構築し、円滑に診療を継続する素養を養う。
 患者の家族背景を理解し、家族のサポートを行うことの重要性を学ぶ。
○訪問診療を通じて、病状の安定した患者の自宅での医学的管理の基礎を身に着ける。 
自宅での経管栄養、尿道カテーテル管理、人工呼吸器管理などを学ぶ。褥瘡や認知症、神経難病など在宅
診療に特有な疾患の基本的な診療能力を身につける。
○急性疾患をもつ在宅患者の往診を行い、自宅でできる限られた医学的手段を用いて適切な診断を下し、治
療を行い、入院適応の判断を指導医とともに経験する。
○訪問看護師や訪問薬剤師、介護支援専門員、その他の職種との連携を経験する。
○通所サービスやショートステイなどの居宅サービスの実態と適応について学ぶ。
 介護保険制度、身体障害者福祉制度などの基礎的な制度活用について学ぶ。   
○「最期まで自宅で生きる」希望の実現として、在宅ターミナルケアを経験する。

◇ 研修プログラムの概要

①指導医
   指導責任者  松本務 日本在宅医学会認定専門医
高知大学臨床講師、高知県立高知大学非常勤講師
担当領域 在宅医療全般、在宅緩和ケア、小児在宅医療

②研修内容

計画的に体験する項目(月あたり)
オリエンテーション(在宅診療、医療事故・針刺し事故等リスク対応)2単位
訪問診療同行院内30単位
訪問看護動向院内4単位
患者カンファレンス参加院内4単位

居宅にて随時体験する項目
新患面接と初回往診同行
看護師臨時対応への同行
病院回診
癌末期患者の副主治医としての訪問診療

体験することが望ましい項目
サービス担当者会議同席、ホームヘルパー吸引指導、予防接種、地域学習会への出席

ペーパーワーク
新患サマリー、診療情報提供書(介護支援専門員、訪問薬剤、入院時)、主治医意見書、訪問看護指示書
身体障害診断書下書き

発表
職員へのレクチャー(身体所見、臨床倫理、EBM report等)
研修総括(第4週火曜日午前に1時間程度)

勤務形態
月~金曜 週5日間勤務
夜間、土日のon call(看護師の出動に同行)

講義内容
在宅医療概論、小児在宅医療、在宅緩和医療、高齢者虐待・子ども虐待
職員向けの在宅医療に関する講義

キーワード
到達目標の確認と個別目標の設定
研修記録、日々の振り返り(毎夕)、週間フィードバック(週1回)
ポートフォリオ作成、全職員からのフィードバック(評価)
プライマリケアの5要素
問診と理学的所見の重要性
生物、心理、社会、倫理的アプローチ
医学生への指導

◇ 研修実施にあたっての注意事項

①医療事故・自動車事故などへの対応
 医療事故・自動車事故マニュアルは基本的には当院規定のものに従う。

②相互評価
 指導責任者は研修医と随時面接し、研修進渉状況を互いに確認する。指導医と研修生は相互評価を行い、
評価記録を残し、保存する。

③服装等
 白衣の着用は必要ない。清潔な私服を着用する。患者さんの自宅を訪れるにあたり失礼のない服装を着用
すること。

◇ 研修参考書類

 研修医は、研修開始日に次の書類を受け取ること
①あおぞら診療所管理職名簿・連絡先 必ずいつも携行すること
②あおぞら診療所事故マニュアル 必ずいつも携行すること
③あおぞら診療所患者用パンフレット
④教科書:「在宅医療テキスト」
Copyright (C) 2011 Aozora clinic .All rights reserved.